夏の暑さの為、消耗した体力は、食事や睡眠で回復します。バランスの取れた食事や十分な
睡眠で早めに疲れを解消し、体力を回復できれば良いのですが、暑いと食欲が落ちたり、
熟睡できない事があります。
その為、夏ばてに悩まされ、日常生活に支障が来す人も少なくありません。

今回は夏ばての悪化する要因やそれを予防、解消する事について考えてみましょう。

    悪化の要因
(水分の取り方に問題が

● 水分の取りすぎ・・・ 暑くて汗をかいた時は、水分補給が必要です。
                      しかし、冷たすぎる飲み物を一度に大量に飲むと
                     胃液が薄まり、胃腸が冷えてしまいます。
                     その結果、消化機能が低下し、食欲が無くなり
                     「栄養不足」となります。

● 脱水 ・・・・・・・・・・多量に汗をかいたにもかかわらず、水の取り方が
                    足りないと脱水症状を起こします。 
                    汗にはミネラルやビタミンが含まれている為、汗と一緒
                    にミネラルやビタミンが失われれた状態の身体は様々
                    な働きが正常に保たれなくなり、「だるさ」を
                    引き起こします。又、脱水症状になると、血液が
                    濃くなり血流が悪くなります。すると、疲労物質である
                    「乳酸」が筋肉に溜まり、「だるさ」をさらに強める事
                    になるのです。

● 水分は取りすぎても、不足しても夏ばてを悪化させます。夏の水分補給は汗のかき方に
   合わせ、あまり冷たくない飲料水を定期的に適量に飲むようにしましょう。

● 朝食は1日の活動を開始する為の大切な食事です。朝食を抜かずに、しっかり食べて、
   炭水化物やビタミン、ミネラルを補給しましょう。

● 食生活に気をつけましょう。
   ・ ビタミンB1(豚肉、レバー、うなぎ、かつお、豆類等)をとりましょう。

   ・ ビタミンC(オレンジ等の果実、ブロッコリーなど野菜類)をとりましょう。

   ・ 鉄分(牛肉、レバー、あさり、マグロ、納豆、ほうれん草等)をとりましょう。

   ・ 食欲が余り無い時は酸味(酢など)、薬味(しょうがなど)、香辛料を上手に取り入れて
     食欲が出るように工夫しましょう。特に酸味は消化吸収を促したり、乳酸を除去する
     効果もあると言われています。

夏ばてで体力が消耗している場合、普段の自分の証より虚証に傾いていると考えられます。
又、気血水のバランスの乱れがあるかどうかも漢方治療には欠かせない要素です。

「気」は生命を維持しようとする基本活力の事を指し、西洋医学的には神経機能と
消化吸収機能に該当すると考えられています。

「血」は全身に栄養を与えて臓器や器官の働きを高めるという、内部環境を整える生理機能
を指し、血液や血液中に含まれる内分泌系のホルモンや血液そのものの流れ(循環器系)が
これに該当します。

「水」は生体を防御する機能を指し、体内の水液の総称で、全身に栄養と潤いを与えると
されています。
西洋医学的に考えるとリンパ球、リンパ液を含めた免疫機能が東洋医学の「水」に
該当すると考えられています。

これらの「気血水」のバランスを整え、流れをスムーズにする方針を決めるとそれに対応した
処方がおのずと決まっていきます。

体力低下や虚弱に傾いた体には「補剤」を中心に処方します。
補剤にも色々と在り、「気血水」のいずれかに障害があるかによって用いる処方が
異なってきます。

体力をつける為に用いられる代表的な補剤には「補中益気湯」がありますが、
「気」にも関係する精神神経症状が強い場合には「帰脾湯」、皮膚乾燥や貧血傾向の
あるような「血虚」の症状を呈している場合には「十全大補湯」など、その人の証により
処方は異なっていきます。

補中益気湯
(ホチュウエキトウ)

(第2類医薬品)
虚証で体力が低下し、夏痩せ、全身倦怠感、食欲不振、貧血など
がある人。微熱、盗汗、動悸などを伴うことがあります。
十全大補湯
(ジュウゼンタイホトウ)

(第2類医薬品)
虚証で体力、気力ともに衰弱し、疲労倦怠が著しい人。食欲不振、
顔色に悪い人。盗汗、口内乾燥感、貧血を伴う事もあります。
人参湯
(ニンジントウ)

(第2類医薬品)
虚証で体力が低下し、冷え症、食欲不振、胃部停滞感、下痢、
心窩部痛、など胃腸機能の低下のある人。顔色が悪く、舌は湿潤
して苔が無く、嘔吐、眩暈、頭重を伴う事もあります。
八味地黄丸料
(ハチミジオウガンリョウ)

(第2類医薬品)
虚証から中間証で、特に中年以降の人で、排尿異常や下半身の
脱力感、冷え、痺れ、痛みなどのある人。
全身倦怠感、口渇、腰痛などの症状のある人。
加味逍遙散
(カミショウヨウサン)

(第2類医薬品)
虚証から中間証の人で、疲労しやすく、肩こり、頭痛、眩暈、不眠、
不安など精神神経症状のある人。特にオ血症状のある人。
帰脾湯
(キヒトウ)

(第2類医薬品)
虚証で顔色が悪く、貧血気味で、心悸亢進、不眠など精神不安
などのある人。吐血、鼻血など出血傾向のある人。
真武湯
(シンブトウ)

(第2類医薬品)
虚証で全身倦怠感、四肢の冷感、下痢、腹痛などのある人。
この処方は新陳代謝が沈衰、及び眩暈、心悸亢進などの症状を
伴います。
小建中湯
(ショウケンチュウトウ)
(第2類医薬品)
虚証で疲労倦怠、心悸亢進、盗汗、手足の煩熱、神経過敏などの
症状のある人。
特に小児に使用される事が多いです。
◎以上が良く使われる漢方処方で 煎じ薬 1日分 約250円+税〜400円+税
                     粉末  1日分 約180円+税〜270円+税です。
朝鮮人参
(紅参)、(白参)
、(髭人参)
(第3類医薬品)
サポニンとしてジンセノサイドなどが
含まれ、食欲不振、消化不良、下痢、
嘔吐などに効果があります。1日量約5gを
煎じて飲みます。
もしくは生人参1本又は髭人参100gを
ホワイトリカー1.8g(好みで氷砂糖200g)を
入れ、2ヶ月以上漬け込んで服用すると良い
でしょう。
紅参(根皮)
 500g 25,000円+税
紅参(粉末)
500g 20,000円+税 

白参(根皮)
 500g 25,000円+税
白参(粉末)
 500g 25,000円+税 

髭人参 
500g 25,000円+税
(生)朝鮮人参
1本 6,000円+税
枸杞子
(クコシ)

(第3類医薬品)
枸杞の実には、ベタイン、フィサリエン、
ゼアキサンチン、などが含まれ、滋養強壮、
肝臓の働きを高める作用がある為、疲労
回復などに使われます。
1日量10g〜15gを食べるか、煎じてお茶
代わりに常用します。
薬用酒は枸杞子200gをホワイトリカー
1.8リットル(好みで氷砂糖200g)を入れて、
2ヶ月以上保管し、杯1杯を服用します。
枸杞(果実)
500g 3,000円+税

枸杞(果実)(粉末)
100g 800円+税
ナツメ
(生薬名:大棗)
(第3類医薬品)
果実にはトリテルペノイドのオレノール酸、
ベツリン酸サポニンなどを含み滋養強壮、
鎮静、抗ストレス作用、利尿作用等が
あります。
1日量 約5gを水600cc〜800ccに入れ弱火で20分程煎じ服用します。又は大棗300gと
氷砂糖約150gをホワイトリカー1.8gに入れ、2ヶ月以上漬け込んで服用すると良いです
漢方処方に配合されている事が多いです。
大棗(果実)
500g 1,570円
その人によって症状や体質は異なります。
あなたに合わせたオーダーメイドの漢方処方を調合します。
ぜひ一度やなぎ堂薬局にご相談ください。